【イベントレポ】円城塔×辻村深月対談~小説で”事件”を描くとは~

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第150回記念「芥川賞&直木賞フェスティバル」 | 特設サイト - 本の話WEB

東京国際文芸フェスティバルの一環である、第150回記念「芥川賞&直木賞フェスティバル」の円城塔×辻村深月対談 「小説で“事件”を描くとは」に行ってまいりました。今回は、そのレポートです。
立ちながらのメモだったので、不備や間違いがあるかもしれませんが、概ね聞いた通りに書いていると思いますので、お楽しみいただければ幸いです。

対談開始~きっかけは神林長平トリビュート!~

司会・辻村さん・円城さんの順で座られていました。
辻村さんは、可愛いジャンパースカートで右手には大きな飾りの指輪が!かわいかったー。円城さんは、途中でなぜかiPhoneを取り出していたのが印象的でした。
まず、司会の方から、二人の経歴の紹介。一回ずれで受賞されてるんですよねと、話を振られた、お二人から、「賞を取るまで」の話が!

円城塔(以下、円城) 芥川賞を取るまで、3回候補に上がったけど、他のどの賞よりも緊張します。受賞したときは、熱を出していて。ハヤカワの向いの喫茶店で待ってたんだけど、縁起も悪いし、こういうのは一人で待っているものだと聞いたから、ホテルに行って寝てました。起きたら、選考が始まってる時間で。
辻村深月(以下、辻村) 確か、『オーダーメイド殺人クラブ』のときに、円城さんと待ち会してたんですよね。そんなに知り合いがいるわけではないんですけど、待ち会で知り合いがいると気まずい。お互い気にしているのに、実際に会うと「賞取れたらいいね」なんて言ったりしています。先に、円城さんが取ってくれてホッとしました。そういえば、選考が出産予定日3日前で。
円城 それはもう、受賞したら、名前は直木にするしかないですよって、メールしました(笑)
司会 おふたりは、以前からお知り合いだったんですよね?
辻村 はい。この二人だと、接点がないように思われるかもしれないんですが、以前、神林長平さんのトリビュート*1に参加させていただいたときに、「面白い子がいるよ」って言われて、紹介してもらったんです。でも、円城さんは、「SF界の貴公子」だから、友達とは思ってくれないだろうって、思ってたんですね。
円城 そんなことはないですよ(笑)
辻村 でも、大阪でサイン会があったときに、たまたま見つけて立ち寄ってくれたんです。
円城 そう、たまたま大阪の書店に行ったら、サイン会がやってたんですよね。それで、挨拶に行きました。

小説の中で事件を起こすこと~リアルからリアリティあるフィクションまで~

司会 そろそろ本題に入らせていただきます。テーマである「小説の中で事件を起こすこと」についてお話をいただければと思います。
辻村 事件というよりも、円城さんにお聞きしたいのですが、発想どこから来ていますか?
円城 「ホラ」ですね。あと、怒られないようにしています。
辻村 誰に怒られるんですか?
円城 親とか(笑)実際に心配されてしまいますから。そういえば、震災後に『オーダーメイド殺人クラブ』が候補にあがっていて、何かありませんでしたか?
辻村そう言われると、確かにそうですね。中学生の女の子が世の中に絶望しちゃうところから始まるので。そういえば、私、円城さんのエピソードで特に好きなのがあるんです。円城さんが、小説家になるって言ったら、お母さんに「ナルシストも大概にしなさい」って言われたって。それを聞いて、流石、円城塔の母親だなーと思いました。ウチは、読んでても、スルーしているので。ケンカになりそうだから、読まないでって言ってます。でも、たまにボロが出るんですよね。「私は、『ツナグ』が好きだな」とか、「また怖いやつだ」*2って言われたりします。『鍵のない夢を見る』で、「育児ノイローゼ」の話を書いたら、友達から電話がかかってきて。
円城 あの構想は、いつからあったの?
辻村 あれは、産まれる前に構想していたものなんです。産まれたら、虐待する人の気持ちがわかると思って。でも、産んだら虐待がわからなかったんです。なので、育児ノイローゼや、誘拐に書き換えました。
円城 現実をそのまま書いても事件にならないですよね。自分の人生を公表したい、と相談されたりするんですが、確かにすごいんだけど、劇的過ぎて話にならないんです。劇的であれば、あるほど書きづらくなってしまう。お話の中に漏れ出るようにしないと、自伝や伝記にはなるんですけど、フィクションにはならないです。
辻村 剥き出しのままのリアルと、こういうことが起きそうだというリアリティは違いますよね。明日起きてもおかしくない、起こりそうなことを探していかないと、フィクションにはならないですね。
円城 僕は、自分の書いているものがよくわからないものなので。僕は、人があまりリアルに死んだりする必要がないんです。やるならオーバーキル、バトロワまでやります。按配がうまくつかめない。ミステリはどうしても言われるじゃないですが。
辻村 ミステリも、北村薫さんや、同期の米澤穂信くんの、「人の死なないミステリ」があるんですよ。頑張って、死なないミステリを書こうとした『鍵のない夢を見る』は、ミステリ呼ばわりされないんですね。直木賞取るとまともなものに見えてしまう。大人が勧めるものになってたまるか、と思います。大人が勧めたものって、面白くないって先入観があって。なのに、大人になって読んだら面白くて。面白いものなのに、大人が進めてくれたおかげで読むのが遅れたじゃないかと、腹が立ったり(笑)
円城 僕の本を大人が子供に進める図が想像できない。
辻村 SF右翼じゃないですか。子どものうちから、英才教育ですね。
円城 教養的ですね。SFファンに育てようと。
辻村 教科書に載る円城塔ですね。直木賞を受賞して、読んでくれる年齢層は広がったと思います。私は、一生中二病として書いてるんです。今も神林先生を読んでも、「これが神!」とか言っちゃうんですね。自分にもそう思ってくれる子がいて、なのに、遠くにいっちゃったなって思われるのは嫌ですね。
円城 読む層が広がってありがたいです。ただ、どう書けばいいか困っていますね。
辻村 屍者の帝国は趣が違いますよね。
円城 ゆえにまた混乱を引き起こすんですよ。何の人なのかわからなくて、困ります。
辻村 円城塔を読ませるかわからないんですが、『屍者の帝国』を読んでいるときに、子供が見ていたカトゥーンアニメで犬に電力流して生き返らせるシーンがあって、「お母さんも、今そういうの読んでて、それは人間しか生き返らせるんだよ、一緒だねー。でも、これは犬も生き返らせてて、すごいねー。」って子供に言ったら、夫に「やめろ」って(笑)
円城 事件を起こす題材って何がありますか。
辻村 ミステリは社会派とか、そういう言葉を使うまでもなく、人一人を殺してどうにもならなくなってしまうんです。現実の事件が起きる時も、何か最後の一撃で表面張力から零れてしまう。人を殺すまでのドラマ。自分の書きたい起きそうなことはそういうものなんです。人の死に寄り添っていくもの。大震災で、周りの作家さんでも、偽物の殺人事件を書き続けるという疑問に思う人がいて、大量死でなく、一人の死を一つの事件として扱う、一人の死に寄り添うヒューマニティとして、ミステリというジャンルが立ち直ってきたと思います。*3
円城 震災については、書き方に興味があります。「そろそろ震災を書かないか」という声はあるが、震災、大量死は話が大き過ぎて扱えないです。『想像ラジオ』などもあったけど、僕は形が作れない。書き方は気にしています。スケールの問題ですね。色んな方がいると思います。世界規模の話で、スケールの大きさに中々入り込めない物語でも、一人の人間にフォーカスするとリアリティが出てくる。屍者の帝国もそうで、個人のことを辿ることによって世界を理解できる。
辻村 歴史小説もそうですよね。歴史の教科書は苦痛だったんですけど、時代小説を読んだあとだと、暗記が進むんです。みなさんも経験あると思うんです。ノンフィクションの世界を背景に理解していく。
辻村 神林長平先生のトークショーで、確か、『僕らは都市を愛していた』の時だったんですけど、そこで、神林先生が、「人間は剥き出しの現実を理解できない」と言っていたんですね。人は、剥き出しの現実だけで生きられない。円城さんとお話していても、上のあの辺から見下ろしている視点みたいな自分を見ているカメラワークや、以前見た映画を思い起こしていたり、フィクションのフィルターを通しているんです。小説家という職業はそういうものだと思います。
円城 網膜や鼓膜はフィクション生成機ですよね。何らかの情報機器。
辻村 そうだと思います!
円城 網膜をもっと大きくすればどうなるか、とか考えます。
辻村 無意識に考えてることに、広げるようとするんですよね。
円城 小説といえば、登場人物を千人出したりして、別の形式をつくるとまた異なる理解が出てきます。こうやって、考え方や異なる概念を広げるんです。
辻村 そうするとと、無意識に広げていた人の元に届くようになるんですよね。
円城 歳を取って色んなことがわかるようになった気がします。
辻村 私もそう思います。例えば、円城さんと、こうして親しげに話すなんて、知り合ったばかりだと混乱して無理だと思います。
円城 歳を取るとわかることはあるんですよね。100までしか生きられないんですが。
辻村 「昔は、年を取ると、書けるものの幅が広がるよ」と言われても、反発する気持ちがあったんですね。「今だって書けているよ」という意地があったんですけど、無理なく理解できるようになりました。
円城 事件を描く舞台は選んでいるんですか?
辻村 最初の『冷たい校舎の時が止まる』が、学校。最近は遠くへ行くようになりました。そこにしようではなく無意識に選んでいる結果ですね。『オーダーメイド殺人クラブ』が直木賞候補に上がった時、審査員から「地方にいる人間の息苦しさが描かれている」と言われたんです。そこで初めて、自分が描いてるものが、「地方都市」だったと気づきました。賞にノミネートされると他者の視点が入るので、自分の立ち位置が確認できるんです。最近、『島はぼくらと』で、島の話を書けるようになりました。地元には海がなかったので、今まで書いてこなかったのですが、地方の延長として描くことが出来たと思います。
円城 ジャンルを広げることはしないんですか?
辻村 ずっとミステリ。ミステリの人としていたいですね。人が死なない事件であっても、解決の仕方は、自分が読んできたミステリからしか拾えない。ミステリ作家の書いた小説ですね、と言われたい。ミステリ的な回収だね、彼女、やっぱりミステリしか書けないとSFの人に悪口言われたい。円城さんはどうですか?
円城 年を取りたいですね。このまま行くと歴史小説とか書きます。信長とか。形式が変わると、書けることが変わるので。今、大阪にいますが、日本の見え方が違うんです。元々、北海道に住んでいたので同じかと思ったが、違いますね。
辻村 そういうところから得たことが、違う形で出て行くのでしょうね。「円城塔」がジャンルなのかも。全然違うことをやられても読後感が変わらない。円城塔が好きな人は、何を書いても円城塔が好き。
円城 作家はみんなそうだと思いますよ。僕は、他人の新作出しましたけど(笑)誰かのように書く、ということはしたくなりますね。死者が蘇る話だから書いたというのもあるけど。誰かの新作を勝手に書くということが、できないのが不思議です。個性というものは、ジャンルの壁よりも厚いと思います。どういうものを、フックにしていくか。
辻村 フックになるのが事件ですか?
円城 「書けなくなったときどうするか」を聞かれますが、「人に会いましょう」というのが答えですね。
辻村 「やっぱり、地方都市を書いている人なんだ」と、人から言われることで気づきます。『ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。』でノミネートされたときに、「小説家は人の不幸を描きたがるということに、誠実に立ち向かっている」という選評をいただきました。やっぱり、自分の書いてるものは、人に寄り添うものなんだって。自分のジャンルなども読んでいる人が決めて欲しいと思っています。
円城 幸せしかない小説は書きづらいですよね。幸せなだけの物語は誰も読まない。
辻村 ハッピーエンドではあってほしいでしょうけど、それは不幸なものを抜けた先の光ですよね。
円城 小説の中で得られる幸せって、いびつですよね。何がハッピーエンドなのかがわかりづらい。
辻村 自分が、OLだったことがあるので、日曜の夜に読んで陰鬱な気持ちで月曜に出社してほしくないなということは気を付けてます。
円城 その視点はなかったですね(笑)
辻村 本を閉じた翌日にあのキャラクターどうしているのかなと思い出してもらえると読後感がよかったのかなと思います。
円城 僕は寝てしまうと言われます。それなら睡眠薬として使ってもらえれば、幸せなのかもしれないですね。すごい薄い本なのに、最後まで読めない本。
辻村 寝てしまう(笑)
円城 トリックに使えますね。
辻村 この本で、眠っていたのかぁ!って(笑)

質疑応答コーナー~文学賞を取るとモテる!?~

司会 区切りもいいところで、質問をお受けしたいと思います。
Q1. お二人にとって、特に思い入れの深い作品はどれですか?
辻村 作品って、不出来なものも可愛いくて、どれも一つ一つ思い入れがあるのですが、やっぱり、今書いているものが一番可愛い。書き終わったものでいうと『冷たい校舎の時は止まる』です。高校時代から書いていたもので、付き合った期間も長いので。
円城 僕も同じですね。自分が何を書いたか忘れません?
辻村 私、自分が書いた子たちが本当に本当に大好きなので、何ページの何行のどこどこにこういうことを書いたって、覚えてるつもりなんですけど、びっくりするほど忘れますね。文庫にする際、三年前の企画を手直してて、たのですが、当時の私は、一体何をこんなに怒っていたのかと、直したくなります。でも、その怒りふくめて、共感してくれる人がいると思うと、直せないですね。
円城 僕、長期の記憶がもたなくなっていて、結末を忘れたんですよ。短編のオチが思い出せなくて。読んでみたらちょっと面白かった。「見どころのある青年だ」とか(笑)同じことを書いているのではないかという恐怖がありますね。一作の中でも忘れている人とかいますよ。出版されたものが一番よいに決まっている、と自分の気持ちを保つようにしています。

Q.2大学生活の影響も受けて、熟成したことはありますか?
円城 性格はあまり変わらないですね。大学に入って、色んなものが読めるようになりました。大学に長くいたせいもあって、大規模検索など、アクセスできる情報の規模が広がりました。外国語が読めるようになった感覚です。
辻村 実は、『冷たい校舎の時が止まる』は、受験勉強が嫌で仕方なくて書き始めたんです。センター試験が近く、1月の初めから二ヶ月で中巻まで書きました。今、この執筆スピードがほしいです。小説だけ自由に書けていた環境であれば書けなかったですね。やるべきことがあったから。小説だけ書ければいい環境だったら作家になってなかったです。大学で色んな人と会って多様だと思いました。
円城 高校の頃は殆ど本を読んでいなかったですね。大学から読み始めました。そこで、人格形成がされて、人間っぽくなりました。
辻村 私は、中高で読んだ本の貯金で生かされています。高校時代は、古典や名作を読んでいて、大学以降はリアルタイムの作家を追っていました。
円城 神林長平さんをまとまって読んだのが大学からですね。
辻村 意味がわかるようなったのがもう少しあとですね。
円城 そうなんですよ、わかんないんですよね。

司会 最後にお互いに聞きたいことをお伺いして、締めたいと思います。
辻村 聞きたいことでないかもしれないのですが、円城さんのイメージが、とにかく男にモテるんですね。芥川賞を受賞した際のお祝いの席で、皆、円城さんのお祝いなのに、「俺が好きな円城塔」について喋るんですよ。全部が「前カノ語り」みたいなもので。いつも、円城さん、その場にいらっしゃるのに、いないような感じを出していて。ああいうときどんな気持ちなんですか?というのをお聞きしたくてですね。
円城 元々、男に囲まれることが多いので、あまり違和感はないが、はっと思う時があります。ボンクラ男子学生、ボンクラ社会人しかいない! 放置しておくとダマになって遊んでいます。
辻村 一度何かの集まりのときに、一瞬人がいなくなっていて。何事かと思ったら、円城さんがプロットノートを持ってきてるって、円城さんの周りに集まっていたんです。そこで、「俺と同じことを書いている奴がいたなんて」と言われていて、それは違うんじゃないかなぁって(笑)結局、プロットノートは見れなかったんですが、円城さんの集まりにいくのは楽しみですね。本人が無頓着なのがいいです。
円城 高校生に「先に書かれた」と言われたこともあります。辻村さんは、モテるようになりましたか?直木賞は、モテるって聞きました。
辻村 全然ないです。
円城 上の世代で芥川賞を取ると、モテるらしいんですよ。「もう一回取りたい」っていう人がいるぐらいで(笑)
辻村 私もモテたいです(笑)「辻村先生の小説読んでる女子って付き合いにくそう」って、言われたんですよ。
円城 誰にですか?
辻村 SF評論家の方です。「愛人臭がしない」って。確かにと思いました。でも、逆にいい法則があるんですよ。私のサイン会って、男性も女性も半分ずつなんです。なので、私の小説のあの話や、ややこしい女を許容して、とても好きだと言ってくれる男性の方は、私の小説を読んでいるめんどくさい女を許容してくれるということだと思うんです。なので、モテるために使ってください。私の小説を渡して反応を見るんです。
円城 リトマス試験紙みたいですね。
辻村 新書を書くときがあったら、「私のこの小説のフレーズが理解できない男はやめておけ」と書きます。女の作家さんはストイックに生きている気がします。モテ格差などが気になってずっと書いていたんですよ。
円城 そこは気になるんですね
辻村 もちろん、気になりますよ。男の作家さんは賞を取るとモテるって聞きました。
円城 上の世代で、芥川賞取った方はモテますよ。聞いたんですけど、そのあと奥さんと別れた人がいるので、大変ですよ。でも、もう一度取りたいらしいです(笑)
司会 そろそろ時間になりましたので、締めさせていただきます。ありがとうございました。

辻村さん・円城さんがお辞儀をして、退場。

一時間弱の対談でしたが、二人の個性があふれ出た対談でした。聞いていて、とても楽しかったです。
最後のモテ談話の「辻村女子読者は、付き合いづらそう」から始まる一連の会話には、うなずきながら聞かせていただきました(笑)辻村作品をリトマス試験紙代わりにするのは、男性でも使えるのではないでしょうか。自分の感覚を強く言語化し、体系化する人に対する反応が見られるのが、辻村作品なのかなと、聞いていて思いました。
とても楽しいイベントだったので、また機会があれば、行きたいですね。

道化師の蝶

道化師の蝶

鍵のない夢を見る

鍵のない夢を見る

*1:こちらですね。

神林長平トリビュート (ハヤカワ文庫JA)

神林長平トリビュート (ハヤカワ文庫JA)

辻村さんの『七胴落とし』は、エッセイ集『ネオカル日和』にも収録されています。

*2:辻村さんの、「怖い」は少し特別なワードであるように思います。『夜想#少女』の今井キラさんとの対談「居場所への「希望」を描く」でも、自分たちのゴスロリ趣味を「怖い」と言われたことに断絶感を覚えたという話をしていましたね。

*3:輪るピングドラム 公式完全ガイドブック』の幾原×辻村対談でも、このことについて触れていましたね。ピンポイントに抜き出すことが難しいのですが、こちらでは、「震災以降の作り手の精神状態」について語られています。 余談ですが、私はこの一連の話を聞いて、『子どもたちは夜と遊ぶ』の浅葱を思い出して、泣きそうでしたw