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『UQ HOLDER Stage.22 ないもの同士 』

今週の『UQ HOLDER!』第22話「ないもの同士」が面白かった。
毎週面白い作品ではあるのだが、今週は特に良い。『ラブひな』『魔法先生ネギま!』と「ちょっとエッチなラブコメディ」を基調としてきた赤松健の新境地が『UQ HOLDER!』なのだということを強く感じる一話だった。(とはいえ、『ネギま』も当初は、31人のヒロインという売り込みをしていたが、途中から冒険ものの少年漫画らしい色は見せていた。)

ここ数話は、九郎丸の悩み、がメインに描かれていた。
九郎丸は、雪姫(エヴァ)を狩るため、刀太たちの前に現れた神鳴流の剣士である。しかし、彼の不死狩りには彼の意思は何一つ反映されていない。刀太と友達になるときも「彼との勝負に敗れ」、「止むなく」なのだ。そんな彼の態度は、女性でも男性でもない「未分化な身体」として体現されている。

夏凛に自身の事情を明した九郎丸は、自信のなさ、その理由を指摘され、悩み始める。
刀太が自分に頼ってくれないのは、彼の他の友人と違い、自分が持っていないからなのではないか。
その悩みが、他ならぬ刀太の言葉によって解消されるのが今回。


週刊少年マガジン11号P.290

「ないもの」であるのは、刀太も同じなのだ。1話ラストの時点で刀太は自身の目的を、「塔に登ること」している。しかし、彼にはそれ以上の動機はない。彼の友人たちのように確固たる自分を持っているわけではない。そのことを自覚している。現時点での『UQ』は、刀太の動機探しの物語でもあるのだ。

センスはいい。何かを成し遂げる能力もある。
しかし、その力で何を成し遂げるのかは決まっていない。
刀太は、自身の記憶がないことも理由に上げ、これから探せばいいと結論付けている。
彼の言葉を聞いて、九郎丸もまた、自身の動機のなさに対して開き直っているように見える。

UQ』の核心が、刀太と九郎丸の動機獲得にあることを今一度きちんと確認できる回だった。

UQ HOLDER!(1) (少年マガジンコミックス)

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